毎年6月になると、住民税の決定通知書が届きます。
「今年も高いな」と思いながら受け取る人も多いと思います。僕自身は仕組みを理解してからは、通知書を見ても腹が立たなくなりました。計算通りの数字が来ているだけだと分かるので。ただ、今年(2026年)は少し事情が違います。令和7〜8年の税制改正で所得税の負担は下がっているのに、住民税は変わっていない。「所得税はゼロなのに、なぜ住民税はかかるの?」という疑問を持った人もいるはずです。
この記事では、所得税と住民税の基礎控除の違いを整理しながら、その理由を解説します。
所得税と住民税は「別の税」
まず前提として、所得税と住民税はまったく別の計算で成り立っています。
所得税は国税。住民税は地方税(都道府県・市区町村)。課税される所得の計算方法も、控除の金額も、それぞれ独自のルールで動いています。
「所得税が安くなったから住民税も安くなる」とはならない、というのがポイントです。
基礎控除の差がすべての原因
所得税と住民税の負担の差は、基礎控除の金額の違いから生まれています。
| 所得税(令和7年分) | 住民税(令和8年度) | |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 最大95万円 | 43万円 |
2026年6月からの住民税(令和8年度)は、2025年(令和7年)の所得をもとに計算されます。令和7年改正で所得税の基礎控除は最大95万円に引き上げられましたが、住民税の基礎控除は43万円のまま変わっていません。
この差が、税額の計算にそのまま影響します。
具体的に何が起きているか
年収160万円・社会保険料なしのケースで見てみましょう。
所得税の計算(令和7年分):
- 給与所得:160万円 − 65万円(給与所得控除)= 95万円
- 基礎控除:95万円(令和7年改正)
- 課税所得:95万円 − 95万円 = 0円
- 所得税:ゼロ
住民税の計算(令和8年度・令和7年所得ベース):
- 給与所得:同じく95万円
- 基礎控除:43万円
- 課税所得:95万円 − 43万円 = 52万円
- 住民税:52万円 × 10% + 均等割5,000円 = 57,000円
所得税はゼロなのに、住民税は57,000円かかります。基礎控除が52万円分少ないぶん、そのまま税額に乗ってくるためです。これが「住民税が高く感じる」構造の正体です。
なぜ住民税の基礎控除は変わらないのか
所得税の改正は国が決めます。住民税の改正は地方財政に直結するため、国が一方的に下げることが難しい面があります。所得税の控除拡大によって地方の税収が減れば、自治体のサービスに影響が出ます。
今回の改正でも、所得税の大幅な基礎控除引き上げに対して住民税側の対応は限定的でした。
これが「所得税は下がったのに住民税は下がらない」という事態の背景です。
まとめ
住民税が高く感じる理由はシンプルです。所得税と住民税は別々の計算で動いており、基礎控除の金額が違う。令和7年改正で所得税の控除は大きく拡大しましたが、住民税は変わっていません。
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「税金の仕組みを知っている人」と「知らない人」で、同じ給与明細を見ても受け取り方が変わります。知っておくだけで、無駄な不安は減ります。
※この記事の情報は2026年5月時点のものです。制度・サービスの内容は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
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