毎月5万円の積立投資、比率を変えると30年後はどう変わる?全パターンをシミュレーションした

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毎月5万円の積立投資を30年続けたら、比率によって30年後はどう変わるのか。

前回の記事(→一括投資版)では1,000万円を一括投資したシミュレーションを行いました。今回は積立投資版です。そして、一括投資版とは重要な結論が変わります。

積立投資(ドルコスト平均法)では、リバランスはやる必要がありません。

毎月一定額を決まった比率で購入し続けることで、購入のたびに自動的にリバランスと同じ効果が生まれます。相場が下がれば同じ金額でより多く買えるため、割安な資産を自動で買い増す状態になる。わざわざ売買してリバランスすると、手間とコスト(税金・手数料)が増えるだけです。

この記事では、積立投資における比率の違いを全9パターンのシミュレーションで確認します。


シミュレーションの条件

  • 積立額:毎月5万円
  • 運用期間:30年(360ヶ月)
  • 元本合計:1,800万円(5万円 × 360ヶ月)
  • 資産:株式(全世界株式・オルカン相当)+ 先進国債券
  • リバランス条件:年1回チェック + 乖離幅5%で発動
  • 手法:モンテカルロシミュレーション(5,000回)
  • 集計:上下5%を外れ値として除外した90%の分布から算出

使用した前提値

年率リターン(想定)ボラティリティ
株式(オルカン相当・円換算)7.5%16%
先進国債券(円換算)3.0%7%
相関係数−0.1(弱い逆相関)

バックテストではなくモンテカルロシミュレーションを選んだ理由は、過去の時系列に沿った後付けの最適化を避け、「未知の未来に対して投資する」という実態に近い検証を行うためです。


シミュレーション結果

毎月5万円・30年積立(元本1,800万円)・上下5%除外

リバランスあり(年1回+乖離幅5%)

株:債券最悪ケース中央値最良ケース
10:902,143万円3,034万円4,442万円
20:802,295万円3,280万円4,795万円
30:702,423万円3,544万円5,362万円
40:602,484万円3,795万円6,068万円
50:502,470万円4,047万円7,023万円
60:402,443万円4,319万円8,157万円
70:302,362万円4,585万円9,576万円
80:202,279万円4,820万円11,321万円
90:102,174万円5,080万円13,320万円

リバランスなし

株:債券最悪ケース中央値最良ケース
10:902,210万円3,146万円4,641万円
20:802,338万円3,438万円5,490万円
30:702,397万円3,675万円6,592万円
40:602,420万円3,904万円7,759万円
50:502,403万円4,138万円8,976万円
60:402,369万円4,368万円10,212万円
70:302,304万円4,574万円11,441万円
80:202,240万円4,812万円12,666万円
90:102,159万円5,069万円13,961万円

データを読み解く

① リバランスあり・なしの差が極めて小さい

まず両表を見比べてください。リバランスあり・なしで、数字がほとんど変わりません。

これがこの記事の核心です。積立投資においては、毎月定額で購入する行為そのものにリバランスと同等の効果が含まれています。相場が下がれば同じ金額でより多く購入できるため、割安な資産を自動で買い増す状態が作られる。別途リバランスをしても、手間とコストが増えるだけで結果はほとんど変わりません。

一括投資版ではリバランスの有無で最悪ケースに100万円以上の差が出ていました。積立ではその差が大幅に縮まっています。これがドルコスト平均法の効果です。

② 全配分で元本を上回る——積立の安定感

最悪ケースが全配分で元本(1,800万円)を上回っています。最も低い10:90でも2,143万円。30年間積み立て続ければ、最悪のシナリオでも元本割れしないという結果です。

一括投資は「いつ買ったか」のタイミングに左右されます。積立はそのリスクを時間分散で吸収する。長期で積み立てることの安定感が数字に出ています。

③ 最悪ケースのピークは40:60〜50:50

リバランスなしの最悪ケースを見ると、40:60(2,420万円)がピーク。50:50(2,403万円)がほぼ同値で続きます。一括投資版と同様、50:50付近が最悪ケースに最も強い配分です。

④ 30:70と70:30の対称性——積立でも同様

配分最悪ケース中央値
30:70(リバランスなし)2,397万円3,675万円
70:30(リバランスなし)2,304万円4,574万円
93万円(小さい)899万円(大きい)

一括投資版と同じ傾向が積立でも確認できました。最悪のリスクはほぼ同程度なのに、中央値は株式比率が高い方が大きく上回る。「安全のために債券を増やす」選択が最悪ケースの改善に直結しないという事実は、積立でも変わりません。


どの比率を選ぶべきか

積立投資においては、リバランスは不要です。毎月の購入がリバランスを兼ねています。

比率の選び方は一括投資と同じ考え方です。最悪ケースに強いのは40:60〜50:50付近。中央値・最良値を伸ばしたいなら株式比率を上げる。「安全のために債券を増やす」選択は最悪ケースの改善より中央値の低下に直結する。

積立投資でやるべきことはシンプルです。自分のリスク許容度に合った比率を決め、毎月淡々と続ける。余計な売買をしないことが、最もコストが低く、再現性の高い長期投資の形です。

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※このシミュレーションは過去データをもとにした想定値を使用しており、将来の運用成果を保証するものではありません。この記事の情報は2026年5月時点のものです。制度・サービスの内容は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

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